この記事の3行まとめ
- 2026年、K-POPダンスはなぜここまで進化したのか
2026年4月現在、STRAY KIDSとATEEZのパフォーマンスクオリティは業界最高水準に達している。 - その核心にあるのは、振付師とスポーツ科学者が共同開発した「身体構築から逆算するダンストレーニング」という革新的メソッドだ。
- この手法は今、5世代グループへも急速に波及しており、K-POPパフォーマンスの定義そのものを塗り替えつつある。
2026年、K-POPダンスはなぜここまで進化したのか
2026年4月現在、STRAY KIDSとATEEZのパフォーマンスクオリティは業界最高水準に達している。その核心にあるのは、振付師とスポーツ科学者が共同開発した「身体構築から逆算するダンストレーニング」という革新的メソッドだ。この手法は今、5世代グループへも急速に波及しており、K-POPパフォーマンスの定義そのものを塗り替えつつある。
STRAY KIDSが採用する「スタミナ・ファースト」メソッド
STRAY KIDSのダンスが他グループと一線を画す理由として、関係者の間でよく挙げられるのが「スタミナ・ファースト」という考え方だ。彼らの振付に長年携わってきたチームによれば、振り付けを覚える前段階として、メンバー全員が一定の有酸素能力基準をクリアすることを求められるという。
具体的には、以下の段階的プログラムが組まれている。
- フェーズ1(基礎体力構築):週5日のインターバルトレーニング。30秒全力スプリント+90秒歩行を12セット行い、心拍数を最大の85〜90%まで引き上げる訓練を3週間継続する。
- フェーズ2(動作統合):振付の「型」を心拍数150拍/分以上の状態で反復する「疲労下ドリル」。パフォーマンス中のミスを減らすため、身体が疲弊した状態でも正確な動作が出るよう神経系に刷り込む。
- フェーズ3(ショーケース精度):カメラリハーサルと連動した通し練習で、表情・視線管理も含めた総合評価を行う。
このメソッドは、かつては主にプロスポーツ選手向けに用いられていたものを舞台芸術向けにアレンジしたものであり、ソウル近郊のいくつかのダンス専門スタジオがK-POP事務所向けにカスタマイズして提供し始めている。
ATEEZの「コア連動型」フィジカルトレーニング
ATEEZのパフォーマンスの特徴は、体幹(コア)を軸にした大きなフォームと推進力のある動きにある。担当ダンストレーナーによれば、ATEEZが近年特に力を入れているのが「コア連動型トレーニング」だ。
このアプローチでは、腹横筋・多裂筋・骨盤底筋群を中心とした深部体幹の安定性を高めることを最優先とする。背景にある考え方はシンプルで、「体幹が安定しないと、末端(手足)の動きは常にブレる」というものだ。
具体的なトレーニング項目
- デッドバグ+呼吸同期:仰向けで腕と脚を交互に伸ばしながら、呼気タイミングに合わせてコアを絞る。単純に見えるが、ダンス中の呼吸コントロールと体幹制御を同時に鍛えるATEEZの定番エクササイズ。
- ランジ+ローテーション:前脚に踏み込みながら上半身を内旋・外旋させる動作を繰り返す。ATEEZの振り付けに多い「下半身の推進力+上半身のひねり」動作を直接模したドリル。
- プランク・バリエーション:通常のプランクに加え、足を交互にリフトするダイナミックプランクを取り入れることで、静的安定性だけでなく動的安定性を同時に鍛える。
さらに注目すべきは、ATEEZが2025年後半から本格導入したとされる「モーションキャプチャーフィードバック」だ。スタジオに設置したカメラシステムがメンバーの骨格動作をリアルタイムで解析し、体幹の角度や重心移動のズレを数値で可視化する。これにより「感覚」に頼っていた修正作業がデータドリブンに変わり、修正速度が大幅に向上したという。
